トップ
>
阿父
>
おとつ
ふりがな文庫
“
阿父
(
おとつ
)” の例文
今夜のクリスマスを以て其の開校式を挙げた積りのです、——兼吉君のことは花さん、既に御聞になつたでせう、兼吉君の
阿父
(
おとつ
)
さんが
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
阿父
(
おとつ
)
さんとは打つて変つた酒飲みで、酒さへあれば、天国などは質に入れても
可
(
い
)
いといふ
性
(
たち
)
で毎日浴びる程酒を飲んでは太平楽を言つてゐた。
飲酒家
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
阿父
(
おとつ
)
さんてえ人が居なすつて、どうにもあたしの心のままにァならなかつたの、そのうち阿父さんは死んでおしまひだし……
もつれ糸
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「
阿父
(
おとつ
)
さんや
阿母
(
おつか
)
さんにもよろしく云つてください。病人も御覧の通りで、もう心配することはありませんから。」と、大野屋の
伯母
(
おば
)
は云つた。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
阿父
(
おとつ
)
さんや
阿母
(
おつか
)
さんの身になつたら、さう思ふのは無理も無いけれど、どうもこのままぢや私が気が済まないんですもの。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
「君、鋳物をやる気はないんかね。
阿父
(
おとつ
)
さんの伝法でやつて行きや、忽ち日本一だが。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
「だけど、
阿母
(
おつか
)
さん、そりや
阿父
(
おとつ
)
さんが生きてお
在
(
いで
)
だツたら、此様に
世帶
(
せたい
)
の苦勞をしないでゐられるかも知れないけれども、其の
代
(
かわり
)
また何様な苦勞かあるか知れたもんじやないのね。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
阿父
(
おとつ
)
つあん、そのことなら、カテリーナよりも、この私に訊ねて頂きませう! 女房ではなく、良人が責任を負ふ。それがわれわれのならはしですから、どうか悪く思はないで下さい!」
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
阿父
(
おとつ
)
さんとは打つて変つた酒飲みで、酒さへあれば、天国などは質に入れても
可
(
い
)
いといふ
性
(
たち
)
で毎日浴びる程酒を飲んでは太平楽を言つてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「どうも取んだ事で、
阿父
(
おとつ
)
さんの様子はどんな? 今朝新聞を見ると
愕
(
おどろ
)
いて飛んで来たのです。
容体
(
ようだい
)
はどうです」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
耶蘇基督
(
イエスクリスト
)
と云ふお方の御誕生日を、御一所にお祝ひ
致
(
い
)
たさうと思つたからです、
貴所方
(
あなたがた
)
も
皆
(
みん
)
な生れなすつた日がある、其日になると、
阿父
(
おとつ
)
さんや、
阿母
(
おつか
)
さんが、今日は誰の誕生日だからと
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
なあ、カテリーナ! どうもお前の
阿父
(
おとつ
)
つあんは俺らと仲よく暮すのが、面白くないらしいぢやないか。帰つて来た時からして、妙に気難かしく、まるで何か怒つてゐるやうに
刺々
(
とげとげ
)
してゐる……。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
母様の涙は少し
鹹
(
しほ
)
つぽいが、忠朝の墓の水は
冷
(
ひや
)
つこい。どちらも妙に酒飲みの
阿父
(
おとつ
)
さんには
効力
(
きゝめ
)
があるといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それもこれも知つてゐながら、
阿父
(
おとつ
)
さんを踏付にしたやうな
行
(
おこなひ
)
を為るのは、
阿母
(
おつか
)
さん
能々
(
よくよく
)
の事だと思つて下さい。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
阿父
(
おとつ
)
さんが国会開設の運動に、地所も家も打ち込んで仕舞ひなすつたので、今の議員などの中には、大和君の
家
(
うち
)
の厄介になつた人が幾人あるとも知れないが、今ま一人でも其の遺児を顧るものは無い
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
左衛門尉は馬に乗つて
遣
(
や
)
つて来た。石黒氏は
阿父
(
おとつ
)
さんに催促せられて慌てて頭を下げてゐた。左衛門尉は自分の前に
茸
(
きのこ
)
のやうに
踞
(
つくば
)
つてゐるこの二人に目をつけた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そこには百合子女史が背の高い
阿父
(
おとつ
)
さんと一緒に立つてゐる写真版が載つてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは自分に子供があるといふ事を忘れるので、訥子には世間も知つてゐる通り、帝劇
俳優
(
やくしや
)
の宗之助、長十郎といふ二人の息子があるが、彼は一度だつて自分を「
阿父
(
おとつ
)
さん」と呼ばせた事が無い。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
父
常用漢字
小2
部首:⽗
4画
“阿父”で始まる語句
阿父様
阿父樣