阿弥陀仏あみだぶつ)” の例文
旧字:阿彌陀佛
カントの超絶てうぜつ哲学てつがく余姚よよう良知説りやうちせつだいすなはだいなりといへども臍栗へそくりぜに牽摺ひきずすのじゆつはるかに生臭なまぐさ坊主ばうず南無なむ阿弥陀仏あみだぶつおよばず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
普通の例と違って故人の名は現わさずに、死んだ愛人を阿弥陀仏あみだぶつにお託しするという意味を、愛のこもった文章で下書きをして源氏は見せた。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
その人の数も多からず。辷石はねいしたにえという婦人などは同じ仲間なり。阿弥陀仏あみだぶつ斎日さいにちには、夜中人の静まるを待ちて会合し、隠れたる室にて祈祷きとうす。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私も又実は仏教徒である。クリスト教国に生れて仏教を信ずる所以ゆえんはどうしても仏教が深遠だからである。自分は阿弥陀仏あみだぶつ化身けしん親鸞僧正しんらんそうじょうによって啓示けいじされたる本願寺派の信徒である。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
箔打はくうちの男 あれは「阿弥陀仏あみだぶつよや。おおい。おおい」と云つてゐるのさ。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
寸金本土すんきんほんど阿弥陀仏あみだぶつ光るは海の真夜中
真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みかど御心みこころの鬼に思召おぼしめし合わすことになってもよろしくないと源氏ははばかられて、ただ一人心で阿弥陀仏あみだぶつを念じ続けた。
源氏物語:20 朝顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
また麗人の終わりの姿を見て夢のようであったことも人知れず忍んでいると非常に悲しくなるのを、人目に怪しまれまいとする紛らわしには、阿弥陀仏あみだぶつ
源氏物語:41 御法 (新字新仮名) / 紫式部(著)
月日が過ぎれば過ぎるほど昔を恋しく思ったりすることは何にもならぬむだなことであると情けなく姫君は思い、阿弥陀仏あみだぶつ讃仰さんごうすることに紛らせ、平生よりも物数を言わずにいた。
源氏物語:56 夢の浮橋 (新字新仮名) / 紫式部(著)