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間々
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あいあい
ふりがな文庫
“
間々
(
あいあい
)” の例文
間々
(
あいあい
)
に、濃いと薄いと、すぐって緋色なのが、やや曇って咲く、
松葉牡丹
(
まつばぼたん
)
の花を拾って、その別荘の表の木戸を街道へぶらりと出た。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
数度の
喀血
(
かっけつ
)
、その
間々
(
あいあい
)
には心臓の
痙攣
(
けいれん
)
起こり、はげしき苦痛のあとはおおむね
惛々
(
こんこん
)
としてうわ言を発し、今日は昨日より、
翌日
(
あす
)
は今日より、衰弱いよいよ加わりつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
蛙の声の
間々
(
あいあい
)
に、たぶ/\、じゃぶ/\田圃に
響
(
おと
)
がする。見れば
簑笠
(
みのかさ
)
がいくつも田に働いて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
清閑の池亭の
中
(
うち
)
、仏前
唱名
(
しょうみょう
)
の
間々
(
あいあい
)
に、筆を執って仏
菩薩
(
ぼさつ
)
の
引接
(
いんじょう
)
を
承
(
う
)
けた善男善女の
往迹
(
おうじゃく
)
を物しずかに記した保胤の
旦暮
(
あけくれ
)
は、如何に
塵界
(
じんかい
)
を超脱した
清浄三昧
(
しょうじょうさんまい
)
のものであったろうか。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いろいろの事情に遮られて今日までのびのびになっていることが
畏
(
かしこ
)
く存ぜられますので、他の一切のことを謝絶していますが、
間々
(
あいあい
)
の謡曲の稽古だけは娯しみたいと思っております。
無表情の表情
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
▼ もっと見る
福浦のあたりは、浜ひろがりに、石山の下を綺麗な水が流れて、女まじりに里人が
能登縮
(
のとちぢみ
)
をさらしていて、その
間々
(
あいあい
)
の
竈
(
くど
)
からは、塩を焼く煙が
靡
(
なび
)
く。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
窓近くさし
出
(
い
)
でたる一枝は、枝の武骨なるに似ず、
日光
(
ひ
)
のさすままに緑玉、
碧玉
(
へきぎょく
)
、
琥珀
(
こはく
)
さまざまの色に透きつ
幽
(
かす
)
めるその葉の
間々
(
あいあい
)
に、
肩総
(
エポレット
)
そのままの花ゆらゆらと枝もたわわに咲けるが
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
また、あの
巌
(
いわ
)
に追上げられて、霜風の
間々
(
あいあい
)
に、(こいし、こいし。)と泣くのでござんす。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若しやと思って伸びあがって手をかざし、月の光にすかして見ると、成程一艘の小舟が荒波を押切って麻生の方へ向って居る。耳をすますとごうごう鳴りどよむ水音の
間々
(
あいあい
)
にかすかに櫓の音が聞える。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「
黄檗
(
おうばく
)
を出れば日本の茶摘みかな」茶摘みの
盛季
(
さかり
)
はとく過ぎたれど、風は時々
焙炉
(
ほうろ
)
の香を送りて、ここそこに二番茶を摘む女の影も見ゆなり。茶の
間々
(
あいあい
)
は麦黄いろく
熟
(
う
)
れて、さくさくと
鎌
(
かま
)
の音聞こゆ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
々
3画
“間々”で始まる語句
間々田