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閑居
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かんきょ
ふりがな文庫
“
閑居
(
かんきょ
)” の例文
……五度も駕籠を乗り替えたのは、駕籠
舁
(
か
)
きなどに足取りを知らせないためであろう、そのうえ
閑居
(
かんきょ
)
というにはあまりに土地が
辺鄙
(
へんぴ
)
すぎる。
追いついた夢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
昔は貧乏
御家人
(
ごけにん
)
の
跋扈
(
ばっこ
)
せし処今は
田舎
(
いなか
)
紳士の奥様でこでこ
丸髷
(
まるまげ
)
を
聳
(
そびや
)
かすの
地
(
ち
)
、元より何の
風情
(
ふぜい
)
あらんや。然れどもわが書庫に
蜀山人
(
しょくさんじん
)
が文集あり『
山手
(
やまのて
)
閑居
(
かんきょ
)
の
記
(
き
)
』
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ときどきの消息に、帰国ののちは山中に
閑居
(
かんきょ
)
するとか、朝鮮で農業をやろうとか、そういうところをみれば、君に妻子を忘れるほどのある熱心があるとはみえない。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
幾分
安堵
(
あんど
)
の
思
(
おも
)
いをなし、室内に
閑居
(
かんきょ
)
するに
至
(
いた
)
るや、予が意気豪ならざる故といわんか、
将
(
は
)
た人情の免れざる所ならんか、今までは
暇
(
いとま
)
なくて絶えて心に浮ばざりし事も
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
多くの巴里人のならわし通りこの男も老後を七、八十
里
(
り
)
巴里から離れた
田舎
(
いなか
)
へ
恰好
(
かっこう
)
な家を見付けて
買取
(
かいと
)
り、コックに一人の女中ぐらい置いて夫婦の後年を
閑居
(
かんきょ
)
しようという人達だ。
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
かの仏遺教経の遠離功徳分にあるごとく「寂静無為の安楽を求めんと欲す」る
比丘
(
びく
)
は「
当
(
まさ
)
に
憒閙
(
かいどう
)
を離れて独処に
閑居
(
かんきょ
)
し」「当に己衆他衆を捨てて空間に独処し」なくてはならない。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そこで、暫く眠りもやらずグッタリと休息しているうちに、駒井はこのごろ中、自分のこの
閑居
(
かんきょ
)
へ、偶然に集まって来た連中のことを思い浮べて、微笑を禁ずることができません。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この審判の結果は、ガリレイの書物の領布を禁じ、地動説を放棄することを条件として
閑居
(
かんきょ
)
を命ぜられたので、その宣告の日には自分でその判決文を読んで宣誓のために署名をさせられたのでした。
ガリレオ・ガリレイ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
私の方からみなさんの方へ遊びにでたいと考えながら、このところ風邪をひいて、胃をいためたもので、
閑居
(
かんきょ
)
すると、ちょッとのことで病気する、病気がこたえる、仕事のない身はもろいものです。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
“閑居”の意味
《名詞》
閑居(かんきょ)
一人で暮らすこと。
閑静な住居のこと。
世俗から離れて静かに暮らすこと。
(出典:Wiktionary)
閑
常用漢字
中学
部首:⾨
12画
居
常用漢字
小5
部首:⼫
8画
“閑居”で始まる語句
閑居友
閑居鳥