トップ
>
門火
>
かどび
ふりがな文庫
“
門火
(
かどび
)” の例文
町はずれの町長のうちでは、まだ
門火
(
かどび
)
を燃していませんでした。その
水松樹
(
いちい
)
の
垣
(
かき
)
に
囲
(
かこ
)
まれた、
暗
(
くら
)
い
庭
(
にわ
)
さきにみんな
這入
(
はい
)
って行きました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
(
門火
(
かどび
)
、門火。)なんのと、
呑気
(
のんき
)
なもので、(酒だと
燗
(
かん
)
だが、こいつは
死人焼
(
しびとやき
)
だ。このしろでなくて仕合せ、お給仕をしようか。)
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それで身が冷えているだろうといういたわりから、コスガナシだけには
麦藁
(
むぎわら
)
を
門火
(
かどび
)
に焚いてお迎えをし、新らしい方の
魂祭
(
たままつり
)
には火を焚かないということである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
桑作はそこに
門火
(
かどび
)
を
焚
(
た
)
いていた一人の若者を半蔵の前へ連れて行った。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
踊ったぞ、踊ったぞ。町のまっ
赤
(
か
)
な
門火
(
かどび
)
の中で、刀をぎらぎらやらかしたんだ。
楢夫
(
ならお
)
さんと一緒になった時などは、刀がほんとうにカチカチぶっつかったぐらいだ。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
除夜にはサイトリカバといって、
白樺
(
しらかば
)
の皮を
門火
(
かどび
)
に焚くことは、他の山国の盆の夕も同じであった。年棚にはミタマの飯というものを作って、祖先の霊にささげた。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ト
忌々
(
いみいみ
)
しいと言えば忌々しい、
上框
(
あがりがまち
)
に、
灯
(
ともしび
)
を背中にして、あたかも
門火
(
かどび
)
を焚いているような——その薄あかりが、格子戸を
透
(
すか
)
して、軒で一度暗くなって、中が絶えて、それから、ぼやけた輪を取って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
“門”で始まる語句
門
門口
門出
門並
門司
門前
門附
門扉
門違
門跡