鎧橋よろひばし)” の例文
第一の銀行よ。梅「成程なるほどうはさには聞いてりましたが立派りつぱなもんですね……あれは。近「橋だ、鎧橋よろひばしといふのだ。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
鎧橋よろひばしに出づ。町の片側は火事なり。そのかはに面せるに顔、焼くるかと思ふほど熱かりし由。又何か落つると思へば、電線をおほへる鉛管えんかん火熱くわねつの為にけ落つるなり。
私はかゝる風景のうち日本橋を背にして江戸橋の上より菱形をなした広い水の片側かたかはには荒布橋あらめばしつゞいて思案橋しあんばし、片側には鎧橋よろひばしを見る眺望をば、其の沿岸の商家倉庫及び街上橋頭けうとうの繁華雑沓と合せて
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ムヽウわたし随分ずゐぶんをとこですな。近「ウン……。梅「わたしくらゐ器量きりやうつてゐながら、家内かない鎧橋よろひばし味噌漉みそこしげてつた下婢をんなより悪いとは、ちよいとふさぎますなア。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
え……本当なればわたしかゝあを追ひ出しちまひます、へえ鎧橋よろひばし味噌漉提みそこしさげよりわるいてえひどい顔で、ぐにさらけだしちまひます、あなたと三でもいから一しよいね。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)