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銷磨
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しょうま
ふりがな文庫
“
銷磨
(
しょうま
)” の例文
藤枝蔵人老人は、そんな行届いたことまで言って
退
(
の
)
けて、武士
気質
(
かたぎ
)
を半分ほどは
銷磨
(
しょうま
)
してしまったらしい
月代
(
さかやき
)
を
撫
(
な
)
で上げるのです。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
李はしばしば催してかつて遂げぬ欲望のために、徒らに精神を
銷磨
(
しょうま
)
して、
行住座臥
(
こうじゅうざが
)
の間、
恍惚
(
こうこつ
)
として失する所あるが如くになった。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
死ぬ時の父の頭の中は、家族に対する愛着などゝは凡そかけ離れた、
銷磨
(
しょうま
)
しきれぬ覇気と不満とで煮え返っていたであろう。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
大切な事業の、他にいくらも手がつけられずにいる今日だ。我々はなるだけ
無駄
(
むだ
)
なことのために、心力を
銷磨
(
しょうま
)
せぬようにしなければならない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
常よりは淡きわが心の、今の状態には、わが
烈
(
はげ
)
しき力の
銷磨
(
しょうま
)
しはせぬかとの
憂
(
うれい
)
を離れたるのみならず、常の心の可もなく不可もなき凡境をも脱却している。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
どうかすると先生の口から先生自身がリップ・ヴァン・ウィンクルであるかのような
戯談
(
じょうだん
)
を聞くこともある。でも先生の雄心は年と共に
銷磨
(
しょうま
)
し尽すようなものでもない。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
黒胡麻の
花崗石
(
みかげいし
)
も
銷磨
(
しょうま
)
して、
白堊
(
はくあ
)
のように平ったく
晒
(
さら
)
されている、しぶきのかかるところ、洗われない物もなく、水の音は空気に激震を起して崖に反響し、森を揺すっている
梓川の上流
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
近来はしばしば、家庭の不幸に遇い、心身共に
銷磨
(
しょうま
)
して、成すべきことも成さず、尽すべきことも尽さなかった。今日、諸君のこの厚意に対して、心
窃
(
ひそか
)
に
忸怩
(
じくじ
)
たらざるを得ない。
或教授の退職の辞
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
それは真の天才の創造せる芸術の特色であるにしても美しさと魅力とがいささかも時の
銷磨
(
しょうま
)
に
妨
(
さまた
)
げられず、かつてありしが如く人間に訴えつつあるショパンの如きは、まことに
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
雪が氷河になると、その山側を擦り下りる圧力で山体を
銷磨
(
しょうま
)
して行く。
高山の雪
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
彼はこの
生若
(
なまわか
)
い青い頭をした坊さんの前に立って、あたかも一個の低能児であるかのごとき心持を起した。彼の慢心は京都以来すでに
銷磨
(
しょうま
)
し尽していた。彼は平凡を分として、
今日
(
こんにち
)
まで生きて来た。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女はその魅力をすっかり
銷磨
(
しょうま
)
した上、シェークスピア劇は大失敗におわり、巨額な借財まで背負って、かっては振り向いても見なかったベルリオーズの
懐
(
ふところ
)
に飛び込んで来たのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
銷
漢検1級
部首:⾦
15画
磨
常用漢字
中学
部首:⽯
16画
“銷”で始まる語句
銷沈
銷
銷夏
銷遣
銷除
銷尽
銷閑
銷魂
銷麗