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鈍根
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どんこん
ふりがな文庫
“
鈍根
(
どんこん
)” の例文
また
鈍根
(
どんこん
)
の子弟を
恥
(
は
)
じしめて、
小禽
(
しょうきん
)
といえども芸道の秘事を解するにあらずや汝人間に生れながら鳥類にも
劣
(
おと
)
れりと
叱咜
(
しった
)
することしばしばなりき
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それからその寺で足掛け十六年、わたしが二十六の年まで修業を積みまして、生来
鈍根
(
どんこん
)
の人間もまず一人並の出家になり済ましたのでござります。
くろん坊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
東海坊といふ修驗者は、經文一つ讀めないやうな、無學
鈍根
(
どんこん
)
の男ですが、生得不思議な精神力の持主で、——今日の言葉で言へば、自己
催眠
(
さいみん
)
といふ類のものでせう。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
筑後
梁川
(
やながわ
)
の藩に大石進という者がある。性質愚に近いほどの
鈍根
(
どんこん
)
で、試合に出ては必ず負ける。後輩年下の者にさえさんざんに打ち込まれる。そのたびごとに笑われ
嘲
(
あざけ
)
られる。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
闇夜
(
やみよ
)
の発光文字のごとくに、必要な
途
(
みち
)
だけがハッキリ浮かび上がり、他は一切見えないのだ。我々
鈍根
(
どんこん
)
のものがいまだ
茫然
(
ぼうぜん
)
として考えも
纏
(
まと
)
まらないうちに、悟空はもう行動を始める。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
のみならず親の手前世間の手前面目ない。人から
土偶
(
でく
)
のようにうとまれるのも、このおれを出す機会がなくて、
鈍根
(
どんこん
)
にさえ立派に出来る翻訳の下働きなどで日を暮らしているからである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
梁川君は
端的
(
たんてき
)
に其求むるものを探し当てゝ、堂々と凱旋し去った。
鈍根
(
どんこん
)
の彼はしば/\
捉
(
とら
)
え得たと思うては失い、
攫
(
つか
)
んだと思うては失い、今以て七転八倒の笑止な歴史を繰り返えして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
鈍根
(
どんこん
)
はいくらやるつもりでかかって何もできないで終るのであります。
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
しょせん自分は地中の
鈍根
(
どんこん
)
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東海坊という修験者は、経文一つ読めないような、無学
鈍根
(
どんこん
)
の男ですが、生得不思議な精神力の持主で、——今日の言葉で言えば、自己催眠という類のものでしょう。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何も結構な家に生れて
世過
(
よす
)
ぎに不自由のない娘をそれほどに教え込まずとも
鈍根
(
どんこん
)
の者をこそ一人前に仕立ててやろうと
力瘤
(
ちからこぶ
)
を入れているのに、何という心得違いをいうぞといった
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「生れながらの
鈍根
(
どんこん
)
だな、お前は」
銭形平次捕物控:096 忍術指南
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鈍根”の意味
《名詞》
鈍根(どんこん)
才知が鈍いこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
鈍
常用漢字
中学
部首:⾦
12画
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
“鈍”で始まる語句
鈍
鈍色
鈍刀
鈍物
鈍重
鈍々
鈍間
鈍痛
鈍感
鈍器