“どんこん”の漢字の書き方と例文
語句割合
鈍根100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筑後梁川やながわの藩に大石進という者がある。性質愚に近いほどの鈍根どんこんで、試合に出ては必ず負ける。後輩年下の者にさえさんざんに打ち込まれる。そのたびごとに笑われあざけられる。
闇夜やみよの発光文字のごとくに、必要なみちだけがハッキリ浮かび上がり、他は一切見えないのだ。我々鈍根どんこんのものがいまだ茫然ぼうぜんとして考えもまとまらないうちに、悟空はもう行動を始める。
のみならず親の手前世間の手前面目ない。人から土偶でくのようにうとまれるのも、このおれを出す機会がなくて、鈍根どんこんにさえ立派に出来る翻訳の下働きなどで日を暮らしているからである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)