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醞醸
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うんじょう
ふりがな文庫
“
醞醸
(
うんじょう
)” の例文
旧字:
醞釀
丸の内一帯の新文明?はかくの如くして
醞醸
(
うんじょう
)
されて来るのである。和服に長靴を穿いているうちには新工夫が出来るかも知れぬ。
丸の内
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
今
一〻
(
いちいち
)
例を挙げていることも出来ないが、大概日本人の妄信はこの時代に
醞醸
(
うんじょう
)
し出されて近時にまで及んでいるのである。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼はまた時勢の児なり、日本国に
醞醸
(
うんじょう
)
醗酵
(
はっこう
)
したる大気は、遂に彼が如き人物を生じて、彼が如き事業を行わしめたり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
駒井甚三郎は、当面の欣喜と、前途の希望のうちに、明らかにこの悪い空気の
醞醸
(
うんじょう
)
を見てしまいました。それを考えているところへ、清澄の茂太郎がやって来ました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ただもう聖賢の言葉ばかりを
暗誦
(
あんしょう
)
させられて育って来たが、この東洋の誇りの
所謂
(
いわゆる
)
「古人の言」は、既に社交の
詭辞
(
きじ
)
に堕し、憎むべき偽善と愚かな迷信とのみを
醞醸
(
うんじょう
)
させて
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
革命は社会内の矛盾や不満や不安が
鬱積
(
うっせき
)
した結果、一定の導化線で
勃発
(
ぼっぱつ
)
するから、実際は相当に永い間にだんだんとその原因が
醞醸
(
うんじょう
)
されるのではあるが、しかし革命そのものは激発的で
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
張り込ませてから約二カ月ばかりの間に、その
都度
(
つど
)
都度に寄せられ、この聞き込みを得た時分から、今度の犯罪に対する決め手として、嬢の頭の中で次第次第に
醞醸
(
うんじょう
)
されてきたものである。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
近代文明の大潮流が
滔々
(
とうとう
)
として各国に
瀰漫
(
びまん
)
し、その
醞醸
(
うんじょう
)
するところとなって憲法政治は現われ出たものである。されば近代諸国の立憲政治には、共通の一つの精神的根柢の存する事は争われない。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
など、
寄々
(
よりより
)
に恨み合い、悲涙をたたえ合い、甲府以来、信長へ対して
頓
(
とみ
)
につのらせていた
忿懣
(
ふんまん
)
やら反感に油をそそいで、いまやそれは、危険な発火作用を帯びるやも知れないまでに
醞醸
(
うんじょう
)
していた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼を思い
出
(
い
)
で、これを思いやりつつ、一種不快なる感情の胸中に
醞醸
(
うんじょう
)
するに従って、武男が母は
上
(
うわ
)
うちおおいたる顧慮の一塊一塊融け去りてかの一念の驚くべき勢いもて日々長じ来たるを覚えしなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
既に一般民衆の間に古くから
醞醸
(
うんじょう
)
蓄積されつつあったのである。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
帝の
側
(
かたえ
)
には
黄子澄
(
こうしちょう
)
斉泰
(
せいたい
)
あり、諸藩を
削奪
(
さくだつ
)
するの意、いかでこれ無くして
已
(
や
)
まん。
燕王
(
えんおう
)
の
傍
(
かたえ
)
には僧
道衍
(
どうえん
)
袁珙
(
えんこう
)
あり、秘謀を
醞醸
(
うんじょう
)
するの事、いかでこれ無くして已まん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いよいよ
醞醸
(
うんじょう
)
を深くしていることは確かで、その辺の空気が緩和するには、ともかくも一刻も早くこの所を撤退するをもって最も賢明とすることは、何人よりも駒井がよく心得ている。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
頑固
(
がんこ
)
で、片意地で言い出したのと違い、この人が、この際、こんなことを言いだしたのは、もうよくよくの深い信心か、決心から、多年に
醞醸
(
うんじょう
)
されていたのだから、容易なものではないと
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“醞醸”の意味
《名詞》
醸造すること。
雰囲気などを醸成すること。
(出典:Wiktionary)
醞
部首:⾣
17画
醸
常用漢字
中学
部首:⾣
20画
“醞醸”で始まる語句
醞醸者