ふか)” の例文
聡明そうめい驚くべく、学は顕密をべ、もっとも止観にふかかったと云われている。真の学僧気質かたぎで、俗気が微塵みじんほども無く、深く名利みょうりにくんで、断岸絶壁の如くに身の取り置きをした。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
迷路ラビユリントスの最もふかき處に一軒の稍〻大なる家ありて、火の光よそよりも明かに、人多く入りゆくさまなり。こはヱネチアの數多き小芝居の一にして、座の名をばサンルカスと云へりとぞ。
機微のふかきを照らす鏡は、女のてるすべてのうちにて、もっとも明かなるものという。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この庭や後ろふかきに日はさして枇杷の喬木たかぎの明き實のかず
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
大河たいがの水の薄濁り——ふかき思ひを
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
この庭や後ろふかきに日はさして枇杷の喬木たかぎの明き実のかず
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
梅雨つゆぐもり気重けおもき松や靄ごめと隣はふかき色のこめつつ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひむがしのたふとき山のみささぎの松ふかきところりし霊廟みたまや
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みささぎの山のおもての浅茅原あさぢはらいたくも荒れぬ松はふかきを
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふかき木のしづく。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふかき木のしづく。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)