遊芸いうげい)” の例文
旧字:遊藝
長吉ちやうきちひげはやした堅苦かたくるしいつとにんなどになるよりも、自分の好きな遊芸いうげいで世を渡りたいとふ。それも一生、これも一生である。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
至善しぜん大道たいだう遊芸いうげい小技せうぎ尊卑そんひ雲泥うんでいは論におよばざれども、孔子七十にして魯国ろこく城北しろのきた泗上にはうふり心喪こゝろのもふくする弟子でし三千人、芭蕉五十二にして粟津の義仲寺にはうむる時まねかざるに来る者三百余人
とよは自分の身こそ一家の不幸のめに遊芸いうげい師匠ししやう零落れいらくしたけれど、わが子までもそんないやしいものにしては先祖の位牌ゐはいに対して申訳まをしわけがないと述べる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
至善しぜん大道たいだう遊芸いうげい小技せうぎ尊卑そんひ雲泥うんでいは論におよばざれども、孔子七十にして魯国ろこく城北しろのきた泗上にはうふり心喪こゝろのもふくする弟子でし三千人、芭蕉五十二にして粟津の義仲寺にはうむる時まねかざるに来る者三百余人
で、風流三昧ふうりうざんまい蘿月らげつむを得ず俳諧はいかいで世を渡るやうになり、おとよ亭主ていしゆ死別しにわかれた不幸つゞきにむかしを取つた遊芸いうげいを幸ひ常磐津ときはづ師匠ししやう生計くらしを立てるやうになつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)