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遁帰
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にげかえ
ふりがな文庫
“
遁帰
(
にげかえ
)” の例文
我を忘れてばらばらとあとへ
遁帰
(
にげかえ
)
ったが、気が付けば例のがまだ居るであろう、たとい殺されるまでも二度とはあれを
跨
(
また
)
ぐ気はせぬ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さうなつたら
已
(
や
)
むを得ず日本へ
遁帰
(
にげかえ
)
りて再び生命を一枝の筆に托せざるを得ざるべきも、先づそれまでは死力を尽して奮闘の覚悟に候、北京の町の汚なさお話になつたものにあらず
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
お雪は
遁帰
(
にげかえ
)
る
機掛
(
きっかけ
)
もなし、声を立てる
数
(
すう
)
でもなし、理窟をいう
分
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、急にお
腹
(
なか
)
が痛むでもない。手もつけられねば、ものも言われず。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「うふん。」といって、目を
剥
(
む
)
いて、脳天から
振下
(
ぶらさが
)
ったような、
紅
(
あか
)
い舌をぺろりと出したのを見て、織次は
悚然
(
ぞっ
)
として、雲の蒸す月の下を
家
(
うち
)
へ
遁帰
(
にげかえ
)
った事がある。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やれやれ
生命
(
いのち
)
を拾いたりと、
真蒼
(
まっさお
)
になりて
遁帰
(
にげかえ
)
れば、冷たくなれる
納台
(
すずみだい
)
にまだ二三人居残りたるが、老媼の姿を見るよりも、「探検し来りしよな、蝦蟇法師の
住居
(
すまい
)
は
何処
(
いずこ
)
。」
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ええ、
仁右衛門
(
にえむ
)
の声だ。
南無阿弥陀仏
(
なんまいだ
)
、ソ、ソレ見さっせえ。宵に
門前
(
もんまえ
)
から
遁帰
(
にげかえ
)
った親仁めが、今時分何しにここへ来るもんだ。見ろ、畜生、さ、さすが畜生の浅間しさに、そこまでは心着かねえ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遁
漢検準1級
部首:⾡
13画
帰
常用漢字
小2
部首:⼱
10画
“遁”で始まる語句
遁
遁世
遁走
遁出
遁辞
遁込
遁路
遁甲
遁逃
遁走曲