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這々
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はふ/\
ふりがな文庫
“
這々
(
はふ/\
)” の例文
「馬道の三五郎親分のところにゐましたよ。すつからかんに叩いて、夜が明けてから
這々
(
はふ/\
)
の體で歸つたのをみんな知つてゐまさア」
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
通
(
とほ
)
りかゝつた
見知越
(
みしりごし
)
の、みうらと
言
(
い
)
ふ
書店
(
しよてん
)
の
厚意
(
こうい
)
で、
茣蓙
(
ござ
)
を
二枚
(
にまい
)
と、
番傘
(
ばんがさ
)
を
借
(
か
)
りて、
砂
(
すな
)
の
吹
(
ふ
)
きまはす
中
(
なか
)
を
這々
(
はふ/\
)
の
體
(
てい
)
で
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
出先で、妖怪に逢ひ
這々
(
はふ/\
)
の体で自分の家に逃げ帰ると、その恐ろしい魔物が、先廻りして、自分の家に這入り込んでゐる。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
石橋山
(
いしばやま
)
のたゝかひ敗れて、頼朝めは散々の體たらく。噛合ひに負けた痩犬のやうに、尻尾をまいて
這々
(
はふ/\
)
の體で逃げまはる。暗さは暗し、雨はふる。
佐々木高綱
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
相手はそれに輪をかけた
凄腕
(
すごうで
)
で、いづれも一刀兩斷にしてやられるか、運よくて、
這々
(
はふ/\
)
の體で逃げ歸るのが關の山でした。
銭形平次捕物控:126 辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
父の一喝に逢つて、
這々
(
はふ/\
)
の体で、逃げ帰つた杉野子爵は、ほんの傀儡で、その背後に怖ろしい悪魔の手が、動いてゐることを感ぜずにはゐられなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
伴左衞 おれが鐵扇で眉間を一つ撃つて遣つたら、縁から轉げ落ちて
這々
(
はふ/\
)
の體で逃げて行つた。
正雪の二代目
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
這々
(
はふ/\
)
の體で一丁ばかり逃げ延びると、
夕靄
(
ゆふもや
)
の中には親分の平次、ニヤリニヤリと笑つて迎へるのです。
銭形平次捕物控:050 碁敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は大黒屋徳右衞門の氣焔に
中
(
あ
)
てられて、
這々
(
はふ/\
)
の體でもう一度庭へ出て見ました。この家を取卷く秘密は、なか/\容易ならぬ深いものがあると見て取つたのです。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
とか何んとか、平次と八五郎は、眼と眼で
喋
(
しめ
)
し合せて、
這々
(
はふ/\
)
の體で逃げ出す外はなかつたのです。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の見幕の凄まじさに、八五郎は
這々
(
はふ/\
)
の體で飛び出しました。
長刀
(
なぎなた
)
になつた麻裏を懷ろに
捻
(
ね
)
ぢ込んで、四つん這ひになつて逃げ出すのが、まことに精一杯だつたのです。
銭形平次捕物控:184 御時計師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎はまことに
這々
(
はふ/\
)
の體でした。近頃親分の平次に、こんなに怒鳴られたことはありません。
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの時は首尾よく忍び込んだが、用人に見付けられて騷ぎ出され。御主人金之助樣に追はれて、熊五郎ほどの者も
這々
(
はふ/\
)
の體で逃げ出しましたよ。金之助樣は一刀流の達人だ」
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次とガラツ八は、旅籠町の路地を、
這々
(
はふ/\
)
の體で引揚げました。
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
這々
(
はふ/\
)
の體で逃出して、手代の佐吉を小蔭に呼びました。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
泰道は
這々
(
はふ/\
)
の體で歸つてしまひました。
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎はまことに
這々
(
はふ/\
)
の體でした。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
這
漢検準1級
部首:⾡
11画
々
3画
“這”で始まる語句
這入
這
這般
這奴
這出
這上
這麽
這込
這個
這裏