追出おんだ)” の例文
拾ったところで知らんかおをしているにきまってる、そうなると、俺らはまたあの家を追出おんだされるんだ、どっちへ行ってもホントにつまらねえ
追出おんだせなら追出おんだしもするが、ひょっとおめえらの娘が身い投げても、首を縊ってもわしうらんではなんねえよ、たった今追出おんだすから…
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お前様婚礼の晩床入もしねえでその場ッからこっちへ追出おんだされて、今じゃ月日も一年越、男猫も抱かないで内にばかり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四十一までに持つた四人の夫、それを皆追出おんだして遣つた悪党女ながら、養子の金作が肺病で死んで以来、口は減らないが、何処となく衰へが見える。乱れた髪には白いのさへ幾筋か交つた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
母「いよ、おらたゞ追出おんだす心はねえから、彼奴あいつに逢って頭の二つ三つ殴返はりけえして、小鬢こびんでもむしゃぐって、云うだけの事を云って出すから、連れてって逢わせろよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
で、お蔦は、たとい貴郎が、その癖、内々お妙さんに岡惚おかぼれをしているのでも可い。河野に添わせるくらいなら、貴郎の令夫人おくさんにして私が追出おんだされる方がいっそ増だ、とまで極端に排斥する。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうおこったって仕様がねえ、出せばどこがねえが、娘子あまっこ情夫おとこおらうちうって連れて来たものを追出おんだすような事になれば、誠に義理も悪い、他にどこはねえ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)