“辛度(しんど)” の例文
乳母 おゝ、辛度(しんど)! 暫時(ちいと)まァ休(やす)まして下(くだ)され。あゝ/\、骨々(ほね/″\)が痛(いた)うて痛(いた)うて! ま、どの位(くらゐ)ほッつきまはったことやら!
「そんなら、お祖父やんのうしろへ随いて来るか。辛度(しんど)ても構(かめ)へんか。俥のうしろから走るのんが辛い言うて泣けへんか」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
おまえたちはみなこれから人生という非常(ひじょう)なけわしいみちをあるかなければならない。たとえばそれは葱嶺(パミール)の氷(こおり)や辛度(しんど)の流(なが)れや流沙(るさ)の火やでいっぱいなようなものだ。
遂に自分から「これは無理ですね、噛むのが辛度(しんど)いのですから、もう流動物ばかりにして下さい」
臨終まで (新字新仮名) / 梶井久(著)
「あゝ辛度(しんど)や。」と疲れた状(さま)をして、薄くなつた髮を引ツ詰めに結つた、小さな新蝶々の崩れを兩手で直したお梶は、忙しさうに孫を抱き上げて、萎(しな)びた乳房を弄らしてゐた。
鱧の皮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
片肱を白襯衣(しろしゃつ)の肩へ掛けて、円々(まるまる)しい頤(あご)を頬杖で凭(もた)せかけて、何と、危く乳首だけ両方へかくれた、一面に寛(はだ)けた胸をずうずうと揺(ゆす)って、(おお、辛度(しんど)。)と故(わざ)とらしい京弁で甘ったれて
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あゝ辛度(しんど)や。」と疲れた状(さま)をして、薄くなつた髪を引ツ詰めに結(ゆ)つた、小さな新蝶々の崩れを両手で直したお梶は、忙しさうに孫を抱き上げて、萎(しな)びた乳房を弄(なぶ)らしてゐた。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
「ああ、辛度(しんど)オ」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「ああ、辛度(しんど)オ」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)