軍師ぐんし)” の例文
軍師ぐんし民部は、きのうからまくのそとに床几をだして、ジッと裾野すそのをみつめたまま、龍太郎りゅうたろうのかえりを、いまかいまかと待ちかねていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「大きい聲は出せない、——同じことなら、祝言の盃としてはどうだ。まだ紫琴女には軍師ぐんしが入り用だぜ」
名案めいあんはないかな——こゝへ、下町したまちねえさんで、つい此間このあひだまで、震災しんさいのためにげてた……元來ぐわんらい靜岡しづをかには親戚しんせきがあつて、あきらかな、いき軍師ぐんしあらはれた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御家來ごけらいなされなばいかなる謀計ぼうけいも成就せん事疑ひなしと稱譽しようよしてすゝめければ天一坊は大に悦喜えつきし左樣の軍師ぐんし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
七五郎 相変らずお前は軍師ぐんしかぶれが強いなあ。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「ふふん、このやみの晩に、なにが見えるんだ。バカ軍師ぐんしめ、人のせわしさも知らずに、まだあんなところでのんきづらをかまえていやがる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「成程、それも面白からう。さう言つちや何だが、お染さんは思ひの外軍師ぐんしだね」
「こっちで攻めだす用意をしているのに、どこまでもおれにたてをつくふつごうな丹羽昌仙にわしょうせん軍師ぐんしといえどもゆるしておいてはくせになる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軍師ぐんしと仰ぎますつもり」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軍師ぐんしむち
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)