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軌
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きし
ふりがな文庫
“
軌
(
きし
)” の例文
とたんに、彼女のうしろに、金属の
軌
(
きし
)
る音がした。入口の重い鉄扉は、誰も押した者がないのに、早もう、ぴったりと閉っていた。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
腰から下は
濛々
(
もうもう
)
と舞いあがる
埃
(
ほこり
)
にかくして、歩兵の一群が過ぎると、間もなく
輜重兵
(
しちょうへい
)
の隊列が、重い弾薬車の
軌
(
きし
)
りで町並の家々をゆすぶりながら通った。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
其れはまだ人々が「
愚
(
おろか
)
」と云ふ尊い徳を持つて居て、世の中が今のやうに激しく
軌
(
きし
)
み合はない時分であつた。
谷崎潤一郎氏の作品
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
新子は、
憤
(
いきどお
)
りで身体が、熱くなっていた。今まで比較的に、平穏無事であったために、
軌
(
きし
)
み合うことなしに過ぎた二人の性格の歯車が、今やカツカツと音を立てて触れ合っているのだった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
さういふ街道を父は独占したやうなつもりで街道の
真中
(
まんなか
)
を歩いて行つた。然るに
稍
(
やや
)
しばらくすると、僕のうしろの方で
人力車
(
じんりきしや
)
の車輪の
軌
(
きし
)
る音がした。さうしてヘエ、ヘエ、といふ
懸声
(
かけごゑ
)
がした。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
処
(
ところ
)
へ
風
(
かぜ
)
を
冐
(
ひ
)
いた人が
常磐津
(
ときはづ
)
を語るやうな
声
(
こゑ
)
でオー/\といひますから、
何
(
なん
)
だかと
思
(
おも
)
つて
側
(
そば
)
の人に聞きましたら、
彼
(
あ
)
れは
泣車
(
なきぐるま
)
といつて
御車
(
みくるま
)
の
軌
(
きし
)
る
音
(
おと
)
だ、と
仰
(
おつ
)
しやいましたが、
随分
(
ずゐぶん
)
陰気
(
いんき
)
な
物
(
もの
)
でございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
軌
常用漢字
中学
部首:⾞
9画
“軌”を含む語句
軌道
鉄軌
常軌
軌条
軌跡
不軌
鐵軌
螺旋式軌道
鐡軌
軌音
軌間
軌道上
軌路
軌條
軌条蹄鉄
軌幅
膝行軌
磊落不軌
無限軌道
無軌道
...