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蹼
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みずかき
ふりがな文庫
“
蹼
(
みずかき
)” の例文
空缶は探照灯の光を浴びて、しばらくゆらゆらゆれていたが、そのうちにふいと、波の下から青黒い手が、あの
蹼
(
みずかき
)
のある手が現われた。
水中の怪人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
先方の出す手が
棘々満面
(
とげとげだらけ
)
の手だろうが
粘滑油膩
(
ぬらぬらあぶら
)
の手だろうが
鱗
(
うろこ
)
の生えた手だろうが
蹼
(
みずかき
)
の有る手だろうが、
何様
(
どん
)
な手だろうが構わぬ
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
かれらの
徒歩
(
かち
)
わたりをし、
蹼
(
みずかき
)
でもありそうな、沼地をよちよち走りまわる足のかかとにマーキュリーの
翼
(
つばさ
)
でもはえないかぎりは。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
嘴
(
くちばし
)
でない嘴、翼でない翼、
蹼
(
みずかき
)
でない蹼、足でない足、笑いたくなるような悲しい泣き声、そういうもので
家鴨
(
あひる
)
は成り立ってる。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
蹼
(
みずかき
)
あってよく水に泳ぎ、小魚を
捕
(
と
)
って食するものがあると、『
本草啓蒙
(
ほんぞうけいもう
)
』その他の書には説いているが、私はまだそれを知らぬのみでなく
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
其跡は犬よりも少し大きく、
且
(
かつ
)
蹼
(
みずかき
)
があるので足の指の間が切れていないという。或時老人が熊を捕る目的で一丈五尺
許
(
ばか
)
りの
陥穽
(
おとしあな
)
を掘って置いた。
奥秩父
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
氏の『
巫来
(
マレー
)
群島篇』に図せるごとく、その四足に非常に大きな
蹼
(
みずかき
)
あり、蹼はもと水を
游
(
およ
)
ぐための器だが、この蛙はそれを拡げて、樹から飛降を
便
(
たす
)
くという(第二図)。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
紅白の美しい水鳥が、とまどいをして、ゴンドラの上に
暫
(
しば
)
し
蹼
(
みずかき
)
を休めているかと、
見紛
(
みまご
)
う
許
(
ばか
)
りだ。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
体長はゆうに五十フィート以上あり、立上ったその頭は、三十フィートもある
宇留陀木
(
ウルタニア
)
の頂からまだ上に出ていた。前肢には
宮守
(
やもり
)
のような
蹼
(
みずかき
)
があり、後肢には
偃月刀
(
えんげつとう
)
のような鋭い爪があった。
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
蒼黒くぬるぬる光る体、
鰭
(
ひれ
)
のような物のついている尖った頭、
蹼
(
みずかき
)
のある手足、……爆発の
勢
(
いきおい
)
で自由を失ったのであろう、海面へ
浮上
(
うきあが
)
ったまま苦しそうにもがいている。
水中の怪人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
足に
蹼
(
みずかき
)
があるという伝えも水、
延
(
ひ
)
いては靇神に縁のあることを示している。
二、三の山名について
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
蹼
(
みずかき
)
のついた、蘇鉄の葉のような異様な前肢の中で、みじめなくらいに小さな教授の手と足が、蠅のようにあわただしくもがき廻っている。その足の下で、ナターシャが気を失って倒れていた。
地底獣国
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
聢
(
しか
)
と答えられず、鵠も鵝も足に
蹼
(
みずかき
)
あり概して言わば古ローマ古支那を通じて蛇の足は水鳥の足に似居ると信じたので、張衡その父が蟒蛇に呑まれたのを
匿
(
かく
)
し転じて、大蛇に乗りて崖頂に登り
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そして寝台から床の上へかけて、ぬれた大きな足跡が
入乱
(
いりみだ
)
れているのである。それは人間のものではなかった。長い指と指とのあいだに、
蹼
(
みずかき
)
のあるのがはっきりと分る。
水中の怪人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
蹼
漢検1級
部首:⾜
19画