路地口ろぢぐち)” の例文
いよ/\御神燈ごしんとうのつゞいた葭町よしちやう路地口ろぢぐちへ来た時、長吉ちやうきちはもうれ以上果敢はかないとか悲しいとか思ふ元気さへなくなつて、だぼんやり
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
これだけを心遣こゝろやりに、女房にようばうは、小兒こどもたちに、まだばん御飯ごはんにもしなかつたので、さかあがるやうにして、いそいで行願寺内ぎやうぐわんじないかへると、路地口ろぢぐちに、よつつになるをんなと、いつつのをとこ
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
長吉ちやうきちは月のに連れられて来た路地口ろぢぐちをば、これはまた一層の苦心、一層の懸念けねん、一層の疲労をつて、やつとの事で見出みいだし得たのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
両国橋りやうごくばし新大橋しんおほはしとのあひだ一𢌞ひとまはりしたのち長吉ちやうきちはいよ/\浅草のはうへ帰らうと決心するにつけ、「もしや」といふ一念にひかされて再び葭町よしちやう路地口ろぢぐち立寄たちよつて見た。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)