質入しちい)” の例文
こゝにをくふ平吉へいきち博奕仲間ぶちなかまたのんで、あはせ綿入わたいれ一枚いちまいづゝ、おびへて質入しちいれにして、小助こすけにぎつた金子かねが……一歩いちぶとしてある。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
某氏はまた斯様こんな話をした。亡くなった彼女は、思い切った女であった。人の為に金でも出す時は己が着類きるい質入しちいれしたり売り払ったりしても出す女であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
理左衞門はすこしも聞入ず追々吟味致さんが先今日は入牢じゆらう申付るとて此日は調もなかりける扨も九郎兵衞は早く九助を殺して己がとがを遁れんと思ひ田地でんぢ質入しちいれなし漸々やう/\金を拵へて郡奉行松本理左衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はなしべつにある……色仕掛いろじかけで、あはれなむすめかはいだ元二げんじやつあはせに一まいづゝおびへて質入しちいれにして、にぎつた金子きんすとしてある。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)