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賜酒
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ししゅ
ふりがな文庫
“
賜酒
(
ししゅ
)” の例文
だが、護国寺宝塔院のさいごの夜も無事に終了して、
賜酒
(
ししゅ
)
の酔いを頬に、諸人と共に彼もこの晩だけは、自分の宿所へさがってきた。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、後醍醐のご記憶にも、彼の特有な人間臭が、忘れえぬものとしておありらしく、
謁見
(
えっけん
)
の庭、夜の
賜酒
(
ししゅ
)
にも、道誉は加えられていた。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
颯爽
(
さっそう
)
と馬上にゆられ、その従者たちも、きょうは
賜酒
(
ししゅ
)
の酔に、華やいでいるはずなのに、
悄然
(
しょうぜん
)
と、その光秀は、
徒歩
(
かち
)
で来る。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて
賜酒
(
ししゅ
)
が終ると、正行はすぐ退がった。しかしその後ろ姿もどこか弱々と見えて、みかどは
密
(
ひそ
)
かに、
顕家
(
あきいえ
)
には似ぬ者と、
傷々
(
いたいた
)
しく思われた。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あくる日はまた、上皇の
御幸
(
みゆき
)
で、式事すべて、前日のごとく、
便殿
(
べんでん
)
で上皇から尊氏兄弟へ、親しく
賜酒
(
ししゅ
)
のことがあり、夜に入って、
還御
(
かんぎょ
)
になった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
出丸廓
(
でまるぐるわ
)
落成の
賜酒
(
ししゅ
)
である。有村はまた、いい気持で
鼓
(
つづみ
)
でも鳴らしているのであろう。夜になっても下城しなかった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二条為次と、
中院
(
ちゅういん
)
ノ定平とが、階を降りて、正成のまえに
賜酒
(
ししゅ
)
の
三方
(
さんぼう
)
をすえ、また一ト振りの太刀を賜わった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武者たちは、
仮屋
(
かりや
)
仮屋で、いまが
晩
(
おそ
)
い夜食だった。
賜酒
(
ししゅ
)
はあったが、きのうから、飲むひまはなかったのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最前までこの城中も、奥は夜宴に、お表は
賜酒
(
ししゅ
)
の無礼講で、たいそう平和であったのが、この老人ひとりの言葉から、たちまち、
凄愴
(
せいそう
)
な気が城内にみなぎってしまった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皇居はいま、二条の
里内裏
(
さとだいり
)
にあるので、
紫宸
(
ししん
)
、
清涼
(
せいりょう
)
の
階
(
きざはし
)
ではないが、
御簾
(
みす
)
ちかく彼を召されて、特に、
賜酒
(
ししゅ
)
を下され、そして
音吐
(
おんと
)
まぎれなく、帝じきじきのおねぎらいであった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
として
賜酒
(
ししゅ
)
の儀を取りおこない、さらに、源家重代の白旗をとり出させて
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一族将兵たちの休養もだが、自身もまた去年いらいの血臭い生活をこの日に少し
憩
(
いこ
)
いたかった。……で、君からいただいた
賜酒
(
ししゅ
)
に染まって、頬にはほのかな色が出ていた。憩いの色といってよかった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
賜
常用漢字
中学
部首:⾙
15画
酒
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
“賜”で始まる語句
賜
賜物
賜暇
賜餐
賜謁
賜宴
賜氷
賜盃
賜緋魚袋
賜姓