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豈計
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あにはか
ふりがな文庫
“
豈計
(
あにはか
)” の例文
むろん私にもそれとなく打ち明けて、万事が清算済みになったつもりでいたらしいのですが、これが
豈計
(
あにはか
)
らんやの思いきやでした。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
豈計
(
あにはか
)
らんやある場合には、そんな社会上の地位を得て相当の財産を有しておればこそ訳がわからないのである
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
親分は
怠
(
なま
)
け者で、子分は呑氣者で、お米の値段と
係
(
かゝ
)
はりのない掛け合ひ
噺
(
ばなし
)
ばかりしてゐるのかと思ふと、
豈計
(
あにはか
)
らんや、今日はまた金儲けの話を持込んで來る八五郎です。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう東京は駄目だ、その代り地方が繁昌するに違いないと、機敏なところを見せたつもりであったらしいが、
豈計
(
あにはか
)
らんや事実は正反対になった。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
三箇月も四箇月も遊んでいる人があるのでこれは気の毒だと思うと、
豈計
(
あにはか
)
らんやすでに一年も二年もボンヤリして下宿に入ってなすこともなく暮しているものがある。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
勝手にしやがれと思い思い、何だか気になるから開けてみたら、
豈計
(
あにはか
)
らんやだ。試験官の直筆だったが
及第
(
きゅうだい
)
も及第。とりあえずお芽出度う存ずる。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
自分
(
じぶん
)
は
今
(
いま
)
腹痛
(
ふくつう
)
で
惱
(
なや
)
んでゐる。
其
(
その
)
腹痛
(
ふくつう
)
と
言
(
い
)
ふ
訴
(
うつたへ
)
を
抱
(
いだ
)
いて
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ると、
豈計
(
あにはか
)
らんや、
其
(
その
)
對症
(
たいしやう
)
療法
(
れうはふ
)
として、
六
(
む
)
づかしい
數學
(
すうがく
)
の
問題
(
もんだい
)
を
出
(
だ
)
して、まあ
是
(
これ
)
でも
考
(
かんが
)
へたら
可
(
よ
)
からうと
云
(
い
)
はれたと
一般
(
いつぱん
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
朝鮮沿海からドンの音が一掃されたので、
最早
(
もはや
)
大願成就……
金比羅
(
こんぴら
)
様に願ほどきをしてもよかろう……と思ったのが
豈計
(
あにはか
)
らんやの油断大敵だった。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これこそ
燐寸
(
マッチ
)
……と思って近付いてみると
豈計
(
あにはか
)
らんや、それは
燐寸
(
マッチ
)
ではなくて黒い表紙の付いた小型の聖書であった。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
スラスラと原稿が書けるものと思い込んで、机に向ったものでしたが
豈計
(
あにはか
)
らんや、一行も書けないのです。
スランプ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
放課後までその帽子に手を触れる者は無い筈と、安心して帰ったら、
豈計
(
あにはか
)
らんや、その帽子の先生が急用で自宅に帰ると、発見して、中の文句まで読んでしまった。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
どうせインチキの支那料理だろうと思って近寄ってみると
豈計
(
あにはか
)
らんや、インチキでない証拠に、店の張出し窓の処にワンタン十銭、シウマイ十銭、チャアシュウ十銭
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ところが
生憎
(
あいにく
)
な事に、そうした中風患者の脳髄を病理解剖に附した結果を見ると、いつも
豈計
(
あにはか
)
らんやの正反対になっている。脳出血でやられているのは、脳髄の全体ではない。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これを聞いた時には
流石
(
さすが
)
に海千山千の吾輩も、尻に帆を上げかけたね。大学の中だけは学術研究の安全地帯だと思っていたのが、
豈計
(
あにはか
)
らんやのビックリ箱と来たもんだからね。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
席亭話
(
よせばなし
)
の
鍋草履
(
なべぞうり
)
てえのと間違いそうですね。女の事が「レデー」ですから男の事が「デレー」かと思ったら
豈計
(
あにはか
)
らんや「ゼニトルマン」でげす。成る程これあ理窟でゲスが失礼したくなりますね。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その事実の裡面に今一歩深く首を突込んでみると
豈計
(
あにはか
)
らんや。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
豈
漢検1級
部首:⾖
10画
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“豈”で始まる語句
豈
豈夫
豈図
豈料
豈且
豈天
豈斗
豈然
豈特