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かたりべ
ふりがな文庫
“
語部
(
かたりべ
)” の例文
この二つは、持統天皇と
志斐嫗
(
しいのおみな
)
との御問答歌である。此老女は
語部
(
かたりべ
)
などの職にいて、記憶もよく話も面白かったものに相違ない。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
思えば
語部
(
かたりべ
)
が、『万葉』『古事記』を記憶でもって口から口に伝えていた古代から思えば、文化の道を遠くも辿って来ている。
国立国会図書館
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
日本の歴史は、
語部
(
かたりべ
)
と言われた、村々国々の神の物語を伝誦する職業団体の人々の口頭に、久しく保存せられていた律文が、最初の形であった。
最古日本の女性生活の根柢
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
次に諸國に
語部
(
かたりべ
)
と稱するものがあつて、大嘗祭の時などに宮廷に出て來て、古詞を唱え、その採録されたものもある。
古事記:04 解説
(旧字新仮名)
/
武田祐吉
(著)
賭事をやる人間は、負けた時は黙々として健忘症となり、勝った時の記憶だけは死ぬまで忘れることができないという
語部
(
かたりべ
)
の精神に富んでいるらしい。
巷談師
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
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そして物語の主軸は実は文学という点にはないのであって、それは古代の歴史伝承の方法であった
語部
(
かたりべ
)
の物語が、文字に移された過程の延長なのである。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
けだし
語部
(
かたりべ
)
がこれを語り伝うる際においては、他にもその例を見る如く、殆どその原意を忘れて、ただ古来語り来ったままにこれを後に伝えたのであったかもしれぬが
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
野ゆく君花に聴かずや
語部
(
かたりべ
)
も伝へずありし幾ものがたり
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
女房
(
にようぼ
)
語部
(
かたりべ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
志斐ノ姥が
藤氏
(
とうし
)
の
語部
(
かたりべ
)
の一人であるやうに、此も亦、この
当麻
(
たぎま
)
の村の旧族、当麻ノ
真人
(
まひと
)
の
氏
(
うぢ
)
の
語部
(
かたりべ
)
だつたのである。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
語部
(
かたりべ
)
というものがあって、もの憶えのよい個人が歌のようにして歴史を憶えていたのに、今、民族を単位として、巨大な組織体として、図書館が、綜合目録で
歴史の流れの中の図書館:――個人的なものから集団的なものへ――
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
曼陀羅縁起以来の
繋
(
つなが
)
りあいらしい。私の場合も、
語部
(
かたりべ
)
の
姥
(
うば
)
が、後に化尼の役になって来ている。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
さうして、毎月頻繁に氏の神其外の神々を祭つて、其度に、家の
語部
(
かたりべ
)
大伴ノ語ノ
造
(
みやつこ
)
の
嫗
(
おむな
)
たちを呼んで、之に捉へやうもない大昔の物語をさせて、氏人に傾聴を強ひて居る。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
今、
当麻
(
たぎま
)
ノ
語部
(
かたりべ
)
ノ
媼
(
おむな
)
が、神憑りに入るやうに、わな/\震ひはじめたのである。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
語
常用漢字
小2
部首:⾔
14画
部
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
“語”で始まる語句
語
語彙
語調
語韻
語音
語合
語草
語弊
語出
語尾