話好はなしずき)” の例文
かくて彼はますます弱くなり、ますます沈欝になって、話好はなしずきの彼も漸く口をきかないようになり、人と交わることさえ厭うようになって来たのである。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
蘿月らげつは女房のおたきに注意されてすぐにも今戸いまどくつもりで格子戸かうしどを出るのであるが、其辺そのへん凉台すゞみだいから声をかけられるがまゝ腰をおろすと、一杯機嫌いつぱいきげん話好はなしずき
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
これら凡百ぼんびやくの話題をぬきにして、話好はなしずきの伯母さんは自身四十九年間の一切の記憶の絲をたてに入れる。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
乗合のりあい話好はなしずき爺様じいさんて、それが言ッたよ。上手な船頭は手先でぐ。巧者こうしゃなのは眼でぐ。それが名人となると、はらぐッ。これはおおいにそうだろう。沖で暴風はやてでもッた時には、一寸先は闇だ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蘿月は女房のおたきに注意されてすぐにも今戸へ行くつもりで格子戸こうしどを出るのであるが、そのへん涼台すずみだいから声をかけられるがまま腰をおろすと、一杯機嫌いっぱいきげん話好はなしずき
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これら凡百はんぴやくの話題をぬきにして、話好はなしずきの伯母さんは自身四十九年間の一切の記憶の糸をたてに入れる。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)