詰問なじ)” の例文
「なぜあんな乞食儒者に、勝手な熱をふかせて、丞相たるあなたが斬捨てておしまいにならなかったのですか」と、烈しく詰問なじった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
友達は私を詰問なじって言うことに、君も細君を亡くしているくせに、何という細君不孝だ。
詰問なじるように、吉野が、こう畳みかけて、言葉のうえで彼を愍殺びんさつしたばかりでなく、その小心さをさげすむように微笑ほほえんでいったので
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、彼の失踪しっそうを後から聞いた景行は、目附の者に、なぜその背を、弓でも鉄砲でもで、撃ち止めてしまわなかったかを詰問なじった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いまにして、荊州も取り給わず遅疑逡巡ちぎしゅんじゅん、曹操の来攻を、拱手きょうしゅしてここに見ているおつもりですか」と、ほとんど、玄徳の戦意を疑うばかりな語気で詰問なじった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふもとで待っている佐屋桑十くわじゅうは、主人の気持が知れなかった。竹中半兵衛何者なにものぞ、こんどはおれが行って、今日までの無礼を詰問なじってくれたい——などと腹を立てた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新野しんや、当陽そのほか諸所において、曹操と戦ってきたあなたが、敵について、何の知識もないわけはないでしょう」と、詰問なじると、玄徳はなお茫漠ぼうばくたる面をして
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとえ今、この家を包むつるぎの林の中であっても、開き直って、そのわけを問いきわめて見なければならないと、思わず真率な眼を輝かせて、武蔵はきつ詰問なじったのであった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
詰問なじるようでも、老先生のことばの底には、よい舅父しゅうとらしい、優しさ、温かさが、あふれている。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ強がるばかりが愛国ではないぞ、ほかに良策があるならここで聞かせよ、と詰問なじり寄った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法師のひとりが詰問なじると、ほかの者も寄って、その小さい体を、頭から覗き下ろしておどした。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
但馬守は、着座するとすぐ、不機嫌にそれを十兵衛に詰問なじった。十兵衛は、うそぶいて
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源八はむかむかして、亡師に対するその不遜ふそん詰問なじってやろうと思ったが
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日頃、温厚な伊籍すら、色をなして、玄徳をそう詰問なじるのであった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
空しく勅使を返したあとで、曹丕は少しふくれ顔して彼を詰問なじった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、詰問なじり寄って彼の真意を打叩いた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、剣に手をかけて詰問なじった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、詰問なじった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)