ながめ)” の例文
ながめやればはるか向ふに燈火ともしびの光のちら/\と見えしに吉兵衞やうやくいきたる心地こゝちし是ぞまがひなき人家ならんと又も彼火かのひひかり目當めあてゆき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
又山里の梅さへ過ぐるに万歳殿の来ぬ事よと京なつかしきながめや侍らん。翁此返辞に其事とはなくて、去年の水無月みなつき五条あたりを通り候に、あやしの軒に看板を懸けて、はくらんの妙薬ありと記す。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
國々へひろめんとて又々諸國武者修行むしやしゆぎやうこゝろざし旅立たびだちせんと云に半四郎は是をとゞめ最早御老年の御事此上の御修行にもおよぶまじければ是までの如く當所たうしよおはして以後は月雪花つきゆきはなながめともとなし老を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)