わか)” の例文
旧字:
そして私の趣旨も大体はわかつてくれました。そのとき私がいつたことは『泉』の第一号に小作人への告別として載せておきました。
農場開放顛末 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
言葉さへわからねえ様な役人が来て、御維新ごいしんおれたと言はぬばかりに威張り散らす、税は年増しに殖える、働き盛を兵隊に取られる、一つでもいことはえので
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
実はお話をしない事はわかりましねえが、少しマア用向が有って、今度初めて江戸へめえり、馬喰町へ逗留して居りやすと、御案内の通りでっけい火事、わしも始めて火事に逢いやした事ゆえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
テンコツさんのいわれは知らない。一度何のことかと父にいたら、拳固げんこをかためて頭のところへもっていったようなことをしたが、私にはなんのことなのか分ったようでわからなかった。
勇ましいともわからずに、心がゾク/\をどり立つて、思ふさま有りたけの涙を流したんですよ、インスピレーションと云ふのは、彼様あゝした状態さまを言ふのぢやないか知らと思ひますの
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)