言張いひはる)” の例文
をり只今にも惣内夫婦が出たならわれは何と申譯致んぞと申さるゝにお深は又進み出恐れながら女は別人べつじんかは存ぜねども悴儀は衣類いるゐのみたるのみに是なくおび脚絆きやはん迄相違御座らぬと左右強情に言張いひはるに大岡殿大聲に又しても入ざる差出さしで默止だまれ其日は九郎兵衞同道にて惣内夫婦金谷かなや村の法會ほふゑせきまゐり歸りも同道なりしに九郎兵衞は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
挫ぐ共いはするが何じや/\と仰らるゝに憑司是は御無體ごむたいおほせなり然樣なるおぼえは御座らぬと言張いひはるにぞ大岡殿は是より一同調しらべんとて榊原さかきばらの家來伊東半右衞門にむかはれ只今聞通り彌々いよ/\猿島川原の男女の死骸しがい推量すゐりやうたがはず源次郎妻と馬丁の者と相見える其方が公事くじ決斷けつだんは甚だ粗忽そこつなり言分有りやと云ふ又與惣次其方は高田へ參りて役人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)