親孝行おやかうかう)” の例文
申すのもチト失禮しつれいでは有りますが常におやさしいおみつさん吾儕わたしは自分の子の樣に思つてゐませば營業しやうばいを休んでなりと駈歩行かけあるき御用を達てあげますよ是といふのも親孝行おやかうかう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
六歳むツつか……吾家うち子供ばうは、袴着はかまぎ祝日いはひ今日けふ賓客きやくんで、八百膳やほぜん料理れうり御馳走ごちそうしたが、ヤアれが忌嫌いやだのこれ忌嫌いやだのと、我意だだばかりふのに、わづ六歳むツつでありながら親孝行おやかうかう
ぢや、ほんとになくつてよかつたね。たら、わたしもやられたかもれない。やつぱりおてらばうさんのとほりだ。親孝行おやかうかうしてゐるとわる災難さいなんにかゝらないでうんくなるツて、まつたくだよ。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)