トップ
>
襤褸切
>
ぼろきれ
ふりがな文庫
“
襤褸切
(
ぼろきれ
)” の例文
平次は木戸を押しあけ、
筵
(
むしろ
)
を払って驚きました。まだ検屍のすまぬ太吉の死骸は、薄湿りの大地の上に、
朱
(
しゅ
)
を浴びた
襤褸切
(
ぼろきれ
)
のように倒れていたのです。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
担
(
にな
)
える
籠
(
かご
)
は覆りて、紙屑、
襤褸切
(
ぼろきれ
)
、
硝子
(
がらす
)
の
砕片
(
かけ
)
など
所狭
(
ところせま
)
く散乱して、
脛
(
すね
)
は地を
蹴
(
け
)
り、手は
空
(
くう
)
を
掴
(
つか
)
みて、
呻吟
(
しんぎん
)
せり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は木戸を押しあけ、
筵
(
むしろ
)
を拂つて驚きました。まだ檢屍のすまぬ太吉の死骸は、
薄濕
(
うすじめ
)
りの大地の上に、朱を浴びた
襤褸切
(
ぼろきれ
)
のやうに倒れて居たのです。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ずたずたになれる
筵
(
むしろ
)
の上に、
襤褸切
(
ぼろきれ
)
、
藁屑
(
わらくず
)
、
椀
(
わん
)
、皿、鉢、口無き土瓶、
蓋
(
ふた
)
無き
鍋
(
なべ
)
、足の無き
膳
(
ぜん
)
、手の無き十能、一切の道具
什物
(
じゅうもつ
)
は皆
塵塚
(
ちりづか
)
の産物なるが、点々散乱してその怪異いうべからず。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
八五郎に
導
(
みちび
)
かれて行つて見ると、大溝の中に落込んで、
襤褸切
(
ぼろきれ
)
のやうになつて居るのは、玉屋の番頭甚助の死骸。まだ檢死が濟まないので、手を付ける者もありません。
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
婦人
(
おんな
)
は絹の
襤褸切
(
ぼろきれ
)
に
件
(
くだん
)
の粉を包んで、
俯向
(
うつむ
)
いて、真鍮の板金を取った。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
襤
漢検1級
部首:⾐
19画
褸
漢検1級
部首:⾐
16画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“襤褸”で始まる語句
襤褸
襤褸屑
襤褸片
襤褸布
襤褸錦
襤褸屋
襤褸布団
襤褸船
襤褸巾
襤褸市