“衣装(なり)” の例文
旧字:衣裝
石井翁は綿服ながら小ザッパリした衣装(なり)に引きかえて、この老人河田翁は柳原仕込(やなぎわらじこ)みの荒いスコッチの古洋服を着て、パクパク靴(ぐつ)をはいている。
二老人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
此人は衣装(なり)も粧(つく)らず外見(みえ)も飾らず極(ごく)朴実律義で、存魂(ぞつこん)嬢様に思込んでゐたが少(ちつ)とも媚諛(こびへつら)ふ容子を見せなかつた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
衣装(なり)は常着(ふだんぎ)だから好(よ)くはございませんが、なれども村方でも大尽(だいじん)の娘と思う拵(こしら)え、一人付添って来たのは肩の張ったお臀(しり)の大きな下婢(おんな)、肥(ふと)っちょうで赤ら顔、手織(ており)の単衣(ひとえ)に紫中形(むらさきちゅうがた)の腹合(はらあわせ)の帯
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
如何(どう)するだろうと内々(ない/\)局の朋輩も噂していた程であったが、お秀は顔にも出さず、何時も身の周囲(まわり)小清潔(こざっぱり)として左まで見悪(みにく)い衣装(なり)もせず、平気で局に通っていたから
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『マアお上がんなさいな、今日(こんにち)はどちらへ。』お神さんは幸吉(こうきち)の衣装(なり)に目をつけて言った。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
これを助けて働く者はお絹(きぬ)お常(つね)とて一人(ひとり)は主人(あるじ)の姪(めい)、一人は女房の姪、お絹はやせ形(がた)の年上、お常は丸く肥(ふと)りて色白く、都ならば看板娘の役なれどこの二人(ふたり)は衣装(なり)にも振りにも頓着(とんちゃく)なく
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)