とけ)” の例文
この供養は朝の四時頃までで日ののぼらぬ中に取片付とりかたづけてしまう。日が上って来ればバタ細工がとけてしまうからです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
全体に内から燃える豊かな同情にとけ合つた強い色調で葡萄酒のくらはひつて居る様な甘い温かな感を人に与へる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
身動みうごきもせずじつとして兩足をくんすわつてると、その吹渡ふきわた生温なまぬくいかぜと、半分こげた芭蕉の實や眞黄色まつきいろじゆくした柑橙だい/\かほりにあてられて、とけゆくばかりになつてたのである。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)