虱潰しらみつぶ)” の例文
外出先の伯爵を適当に嬢がアヤなしている間に、これらの者たちが躍り込んで一挙に、虱潰しらみつぶしの家宅捜索を行うことに方針が決まった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
構ふことはねえから、一軒一軒虱潰しらみつぶしに調べろ。いづれは浪人者か主人持か、二本差の仕業に違ひあるめえが、腕の立つ奴に油斷をするな。
一軒一軒虱潰しらみつぶしに出所を調べてまわっても構わない覚悟で、飯田町一帯の材木置場の隅から隅まで鋸屑おがくずを掻きまわしたもんだ。
近眼芸妓と迷宮事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
大月にまでも援助を申出た彼等は、二階の洋服箪笥の隅から階下の台所の流しの下まで、所謂警察式捜査法でバタリピシャリと虱潰しらみつぶしにやり始めた。
闖入者 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
四郎兵衛さんの会所から秋葉あきば様の常夜灯までの間を虱潰しらみつぶしに数えてみた所で、あの人に気のない花魁などと云ったら、そりゃ指折る程もなかっただろうよ。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
このようにその界隈を西から東へと殆んど虱潰しらみつぶしに捜し廻ったけれど、どうしても田中の一行は見当らない。
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)
日光辺の旅館を虱潰しらみつぶしに尋ねて、血眼で宿帳を調べてあるき、到頭その情人の姓名を突き留め、二人が泊まったという部屋まで見届けたという、友人の狂気じみた情痴にあきれたものだったが
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
成るたけ七人かたまって、片っ端から一棟ずつ、虱潰しらみつぶしに潰すとしよう。何んの何んの潰すんじゃアない。桔梗様を見付けて取り返すのさ。どうせ切り合いになるだろう。刀の目釘を湿すがいい。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一方皆川半之丞のところに集まる四五人の弟子の身許を、一人一人虱潰しらみつぶしに調べさせた下っ引は、思いも寄らぬ不思議な事を聞込んで来ました。
二千人以上居る職工の身元の全部が、虱潰しらみつぶしに調べ上げられたが、その結果は意外にも一人も居ない筈の赤い主義者の潜行分子が二三人発見されただけで終った。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
警察では、最初ながしの空巣狙いと見当つけて捜したんですが、やがて出入りの商人が怪しいと云うことになり、坂本家へ出入りする御用聞きが、片ッ端から虱潰しらみつぶしに調べられたんです。
あやつり裁判 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
家中の者を虱潰しらみつぶしに訊いて廻つて、たうとう娘のお雛の口からお仲の持物ではないかといふ暗示を引出したのです。
銭形平次捕物控:130 仏敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
M男爵から内密に借り受けた名簿によって日本内地に散在するJ・I・C団員を虱潰しらみつぶしに投獄し、又は国外に放逐した事実は、微塵みじんほかへ洩れていないにしても
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこで、波止場の伝馬船が叩き起されて、片ッ端から虱潰しらみつぶしに調べられた。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
家中の者を虱潰しらみつぶしに訊いて廻って、とうとう娘のお雛の口からお仲の持物ではないかという暗示を引出したのです。
銭形平次捕物控:130 仏敵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
神田明神下のもとの町へ歸ると、秋葉の小平は、五十何軒の町家を虱潰しらみつぶしに調べ拔いて、家主の佐兵衞の縁側に、鼻の穴を大きくして休んで居りました。
「なるほど、それも思い付きだろう。変な顔をされるのを覚悟で、一軒一軒虱潰しらみつぶしに当ってみるとしようか」
大川筋の船、大きいのは五百石、千石づみから、小さいのは釣舟、緒牙船ちよきぶねにいたるまで、虱潰しらみつぶしに調べあげられた結果、拔荷ぬけにを積んだ船が一艘發見されました。
町役人立会の上虱潰しらみつぶしに見て廻ったが、暮から先月へかけて、本所深川でさらわれた娘などは一人も居ねえ
大川筋の船、大きいのは五百石、千石積みから、小さいのは釣舟、猪牙舟ちょきぶねにいたるまで、虱潰しらみつぶしに調べあげられた結果、抜け荷を積んだ船が一そう発見されました。
その女達をめぐる男を、虱潰しらみつぶしに擧げましたが、何分古いことで、本人達が勘次郎の存在を忘れて居るのと、お清が思ひの外しつかり者で、近頃すつかり堅くなつて居たので
秋葉の小平を捕頭にした、三十八人の組子に、町の彌次馬を加へてざつと六七十人の一隊は、錢形平次の家を中心に、神田明神下の町家を、虱潰しらみつぶしに家搜しを始めたのです。
その女達をめぐる男を、虱潰しらみつぶしに挙げましたが、なにぶん古いことで、本人達が勘次郎の存在を忘れているのと、お清が思いの外しっかり者で、近頃すっかり堅くなっていたので
二た月ほど前から虱潰しらみつぶしに泉屋一家を荒して歩く曲者、——どんなに要心を重ねても、風の如く潜り込んで、かなりまとまった金をさらった上、さえぎる者があると、恐ろしい早業で
二た月ほど前から虱潰しらみつぶしに泉屋一家を荒して歩く曲者、——どんなに要心を重ねても、風の如く潜り込んで、かなりまとまつた金をさらつた上、さへぎる者があると、恐ろしい早業で
いづれも確かな現場不在證明があつて、この虱潰しらみつぶし案も失敗に終りました。
しばらく奉公人や子分を一人一人、虱潰しらみつぶしに当っておりましたが、やがて
暫らく奉公人や子分を一人々々、虱潰しらみつぶしに當つて居りましたが、やがて
「其處まで氣が付けば、あとは俺が行つても調べやうはあるまい、——兎に角四宿じゆくかためて、江戸から持ち出させねえやうにするが宜い、それから大川筋が一番臭い、船を虱潰しらみつぶしに調べることだ」
「そこまで気が付けば、あとは俺が行っても調べようはあるまい、——とにかく四宿しじゅくを堅めて、江戸から持ち出させねえようにするがいい、それから大川筋が一番臭い、船を虱潰しらみつぶしに調べることだ」
「八兄哥に惡いことは少しも無い。——ところで兄哥、町内の若いのを、虱潰しらみつぶしにしらべたが、お駒と引つかゝりのあるのは、新吉の外には一人もねえ。泥棒にしては無くなつた物が無いし、——」
「八兄哥に悪いことは少しもない。——ところで兄哥、町内の若いのを、虱潰しらみつぶしにしらべたが、お駒と引っかかりのあるのは、新吉の外には一人もねえ。泥棒にしては無くなった物がないし、——」
「三輪の兄哥あにいもつまらねえ事をしたものだ。この噂がパツとなりや、辻斬野郎當分旅籠町へ寄り付くことぢやあるめえ。この上はもう一つのだ。八、あの研屋をもう一度虱潰しらみつぶしに當つて見てくれ」
「ヘエ——、じゃ町内の鍛冶屋を虱潰しらみつぶしに挙げてみましょうか」
「近所を一軒一軒虱潰しらみつぶしに捜すんだね、外にはない」
もう一度虱潰しらみつぶしに当ってみてくれ