蘇生よみがへり)” の例文
農夫はしば/\おくるるゆゑつひにはすてひとりさきの村にいたり、しるべの家に入りて炉辺ろへんあたゝめて酒をくみはじめ蘇生よみがへりたるおもひをなしけり。
興義枕をあげて、二九路次ろじわづらひをかたじけなうすれば、助も蘇生よみがへりことぶきを述ぶ。興義先づ問ひていふ。君こころみに我がいふ事を聞かせ給へ。かの漁父ぎよふ文四に魚をあつらへ給ふ事ありや。
以て見遁みのがし遣はさん併ながら手先の者共へ酒代さかだいにても遣はさねば相成らずと申をきゝ文藏は蘇生よみがへりたる心地にて大に喜びこれこそ地獄の沙汰もかね次第と目明めあかし方の兩人へ所持しよぢせし有金三十七兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
農夫はしば/\おくるるゆゑつひにはすてひとりさきの村にいたり、しるべの家に入りて炉辺ろへんあたゝめて酒をくみはじめ蘇生よみがへりたるおもひをなしけり。
取り裏口うらぐちより忍びいでしは出たれどもいかに行ば街道がいだうならんと思ひながらも一生懸命しやうけんめいの場所なれば足に任せて走る程に何程なにほど來りしかは知らざるうち夏の夜の明安く東雲しのゝめ近く成しと覺えて行先に驛路の鈴の人足にんそくの聲など遙に聞えければ友次郎もお花もはじめて蘇生よみがへりたる心地して扨は街道に近く成しぞと猶も道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)