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薄蒼
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うすあお
ふりがな文庫
“
薄蒼
(
うすあお
)” の例文
御堂
(
みどう
)
の屋根を
蔽
(
おお
)
い包んだ、杉の樹立の、
廂
(
ひさし
)
を
籠
(
こ
)
めた影が
射
(
さ
)
す、
炉
(
ろ
)
の灰も
薄蒼
(
うすあお
)
う、茶を煮る火の色の
※
(
ぱっ
)
と冴えて、
埃
(
ほこり
)
は見えぬが、休息所の古畳。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二本の足を硬く
揃
(
そろ
)
えて、胴と直線に伸ばしていた。自分は籠の
傍
(
わき
)
に立って、じっと文鳥を見守った。黒い眼を
眠
(
ねぶ
)
っている。
瞼
(
まぶた
)
の色は
薄蒼
(
うすあお
)
く変った。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし
薄蒼
(
うすあお
)
いパイプの煙は粟野さんの存在を証明するように、
白壁
(
しらかべ
)
を背にした空間の中へ時々かすかに立ち
昇
(
のぼ
)
っている。窓の外の風景もやはり静かさには変りはない。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
電池と真空ポンプと測定装置との
外
(
ほか
)
には、ほとんど室の
飾
(
かざ
)
りになるような器械はなく、がらんとしたうすら寒い地下室であった。実験室全体の感じが
薄蒼
(
うすあお
)
くすすけていた。
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
滴
(
したた
)
るように色づいた皮が、ナイフの刃を
洩
(
も
)
れながら、ぐるぐると
剥
(
む
)
けて落ちる後に、水気の多そうな
薄蒼
(
うすあお
)
い肉がしだいに現われて来る変化は彼に一年以上
経
(
た
)
った昔を
憶
(
おも
)
い起させた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷