“うすあお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淡蒼31.3%
薄蒼31.3%
淡青18.8%
微青6.3%
淡碧6.3%
薄青6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
がったんがったんとだるい音を立てて水車が一日廻っていたが、小雨こさめなどの降る日には、そこいらの杉木立ちの隙に藁家わらやから立ち昇る煙が、淡蒼うすあおく湿気のある空気にけ込んで
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
二本の足を硬くそろえて、胴と直線に伸ばしていた。自分は籠のわきに立って、じっと文鳥を見守った。黒い眼をねぶっている。まぶたの色は薄蒼うすあおく変った。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
河南の草もえ、河北の山も淡青うすあおい。江風はぬるく、関羽の髯をなぶり、赤兎馬のたてがみをそよ吹いてゆく。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
謙作はちょとお辞儀をして、煙草を前の灰皿に置いて微青うすあおく見えるその液体を口にした。それはウイスキーの薄いような味の物であった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
山から取って来てその水にけてある淡色うすいろの夏雪草などを眺めながら、笹村は筋肉のふやけきったような体を湯に浸していた。湯気で曇った硝子窓には、庭の立ち木の影が淡碧うすあおく映っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それもつか薄青うすあお渦紋かもんにかわり、消えてしまった。しかし、ぼく達は、相手のない、不敵さで、ただ、漕いだ。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)