蕭索せうさく)” の例文
やつと隧道を出たと思ふ——その時その蕭索せうさくとした踏切りの柵の向うに、私は頬の赤い三人の男の子が、目白押しに並んで立つてゐるのを見た。
蜜柑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
海樹蕭索せうさく、天しもを降らす
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
やつと隧道トンネルたとおもふ——そのときその蕭索せうさくとした踏切ふみきりのさくむかうに、わたくしほほあかい三にんをとこが、目白押めじろおしにならんでつてゐるのをた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
絵は蕭索せうさくとした裸の樹を、遠近をちこちまばらに描いて、その中にたなごころつて談笑する二人の男を立たせてゐる。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)