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蒼古
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そうこ
ふりがな文庫
“
蒼古
(
そうこ
)” の例文
何故だろうか? 他なし今日の詩人にとって、文章語そのものが既に過去に属し、
蒼古
(
そうこ
)
として生活感のないものに属するからだ。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
また菊の香という名詞の下には「の
馥郁
(
ふくいく
)
たるがごとく」という文字とか、また温雅なる色彩とか、
蒼古
(
そうこ
)
な感じとかいうような
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
前者は優麗で美しく、後者は学究的で
蒼古
(
そうこ
)
な趣がある。この種のレコードはいずれをいずれと優劣は定め難い。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
朝鮮金剛の
勝
(
しょう
)
に私たちは当面したのである。この渓谷のいさぎよくして
閑
(
のど
)
かな、またこの
重畳
(
ちょうじょう
)
たる
岩峭
(
がんしょう
)
の不壊力と重圧とは極めて
蒼古
(
そうこ
)
な
墨画
(
すみえ
)
風の景情である。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
徒然草に見える
那蘭陀寺
(
ならんだじ
)
あたりの
址
(
あと
)
である。梅ばやしを
透
(
す
)
いて、六波羅地蔵の
蒼古
(
そうこ
)
とした堂が見える。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
この歌は、もっと上代の歌のように、
蒼古
(
そうこ
)
というわけには行かぬが、歌調が
伸々
(
のびのび
)
として極めて順直なものである。家持の歌の優れた一面を代表する一つであろうか。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ほとんどその趣きを異にして居ると思うのです、どんなに違うか、さアこれもちょっと説明が六つかしい、『万葉』が好いとして取る点は、詞は
蒼古
(
そうこ
)
だとか、思想が自然だとか調子が
雄渾
(
ゆうこん
)
だとか
子規と和歌
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
蒼古
(
そうこ
)
とでも評したいほど枯れた文字の
背
(
うし
)
ろに燃えていると園は思った。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
日本は海から見た時のみ
蒼古
(
そうこ
)
としてゐる。
釣れない時:君は何を考へるか
(新字旧仮名)
/
佐藤惣之助
(著)
そこは、市外に近い、
蒼古
(
そうこ
)
とした
禅刹
(
ぜんさつ
)
の門だった。
十河存保
(
そごうまさやす
)
の陣所として、鉄槍や武者の影に埋まっている。宗易は、前後を囲まれながら、槍ぶすまの門を、静かに通った。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歌も音楽も少しも中国的ではないが、
蒼古
(
そうこ
)
雄大な人に迫る美しいものを持っている。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
その綜合的美観はその位置と丘陵の高さとが、明らかにして
洋々
(
ようよう
)
たる河川の
大景
(
たいけい
)
と
相俟
(
あいま
)
って、よく調和して
映照
(
えいしょう
)
しているにある。加えて、
蒼古
(
そうこ
)
な森林相がその麓からうちのぼっている。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
一首に主格も省略し、結句に、「印南国原」とだけ云って、その結句に助詞も助動詞も無いものだが、それだけ散文的な通俗を脱却して、
蒼古
(
そうこ
)
とも
謂
(
い
)
うべき形態と響きとを持っているものである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
家のそばには
蒼古
(
そうこ
)
とした鳥居がある。そして日頃は、老いたる
禰宜
(
ねぎ
)
と家族が住んでいた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ブッシュは
蒼古
(
そうこ
)
な雄大さがあり、いずれとも言い難いが、演奏はカペエに一日の長があり(コロムビアS一〇九三—七)、録音はブッシュの方に新しい良さがある(ビクターJD九二五—九)。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
すると
蒼古
(
そうこ
)
たる転法輪寺の大屋根と、一
旒
(
りゅう
)
の錦旗が見え、それから上は峰もない。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蒼古
(
そうこ
)
な四天王寺の
輪奐
(
りんかん
)
もそれを援ける。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“蒼古”で始まる語句
蒼古的