はす)” の例文
赭色たいしやになりてはすの茎ばかり情無う立てる間に、世を忍びの白鷺が徐〻そろりと歩む姿もをかしく、紺青色に暮れて行くそらに漸くひかり出す星を脊中に擦つて飛ぶ雁の
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
はすの花の精でございます、貴郎が情の深いことを知りましたので、こうしてお眼にかかることになりましたが、私はおじさんの世話になっております、舅さんは非常に物堅い方ですから
荷花公主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かれは大きな蒼い河獺かわうそで、その着物や繖と見えたのは青いはすの葉であった。
赭色たいしゃになりてはすの茎ばかり情のう立てる間に、世を忍びげの白鷺しらさぎがそろりと歩む姿もおかしく、紺青色こんじょういろに暮れて行くそらにようやくひかり出す星を背中にって飛ぶかり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)