草書そうしょ)” の例文
ちょっと米法山水べいほうさんすい懐素かいそくさい草書そうしょしろぶすまをよごせる位の器用さを持ったのを資本もとでに、旅から旅を先生顔で渡りあるく人物に教えられたからである。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この僧は六十近い、丸顔の、達磨だるま草書そうしょくずしたような容貌ようぼうを有している。老人とは平常ふだんからの昵懇じっこんと見える。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしがいつでも通される横六畳の座敷には、そこに少しく不釣合いだと思われるような大きい立派ながくがかけられて、額には草書そうしょで『報恩額』と筆太ふでぶとにしるしてあった。
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
越後上布えちごじょうふ帷子かたびらの上に重ねたしゃの羽織にまで草書そうしょに崩した年の字をば丸く宝珠ほうじゅの玉のようにした紋をつけているので言わずと歌川派うたがわはの浮世絵師五渡亭国貞ごとていくにさだとは知られた。鶴屋はびっくりして
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
古い詩歌がたくさん書かれてある。草書そうしょもある、楷書かいしょもある。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
日蓮は草日蓮そうにちれんといわれるくらいで、草書そうしょが大変上手であったと坊さんがいった時、字のまずいKは、何だ下らないという顔をしたのを私はまだ覚えています。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
篆書てんしょでも隷書れいしょでも草書そうしょでも、学ばずして見事に書くので、見る人みな驚嘆せざるはなかった。