苦痛いたみ)” の例文
彼はさゝやけり、我は彼がかく彼等を痩せしむる正義の苦痛いたみを感ずるところにてゼントゥッカといふを聞きし如くなりき 三七—三九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
時々丑松は立留つて、人目の無い路傍みちばたの枯草の上に倒れて、声を揚げて慟哭どうこくしたいとも思つた。あるひは、其をたら、堪へがたい胸の苦痛いたみ少許すこしは減つて軽く成るかとも考へた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
初手しよてわかをとこばかりにいたが、段々だん/″\老人としよりにもおよぼして、のちには婦人をんな病人びやうにんもこれでなほる、なほらぬまでも苦痛いたみうすらぐ、根太ねぶとうみつてすさへ、びた小刀こがたな引裂ひツさ医者殿いしやどの腕前うでまへぢや
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
忘るる間なき苦痛いたみを何なぐさめ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
いひけるは、父よ我等をくらひたまはゞ我等の苦痛いたみは却つて輕からむ、この便びんなき肉を我等に着せたまへるは汝なれば汝これをぎたまへ 六一—六三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
初手しょては若い男ばかりに利いたが、だんだん老人としよりにも及ぼして、後には婦人おんなの病人もこれでなおる、復らぬまでも苦痛いたみが薄らぐ、根太ねぶとうみを切って出すさえ、びた小刀で引裂ひっさく医者殿が腕前じゃ
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
苦痛いたみを防ぐに似たるを見む 一五一—一五三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)