苗賣なへうり)” の例文
新字:苗売
下町したまちはうらない。江戸えどのむかしよりして、これを東京とうきやうひる時鳥ほとゝぎすともいひたい、その苗賣なへうりこゑは、近頃ちかごろくことがすくなくなつた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こちらでをつけて、聞迎きゝむかへるのでなくつては、苗賣なへうりは、雜音ざつおんのために、どなたも、一寸ちよつとがつかないかもれぬとおもふ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
紅花べにばななへや、おしろいのなへ——とくちうするにおよぶまい、苗賣なへうりこゑだけは、くさはながそのまゝでうたになること、なみつゞみまつ調しらべにあひひとしい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)