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色里
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いろざと
ふりがな文庫
“
色里
(
いろざと
)” の例文
年頃は漸う十六か七かと思われたが、その娘の顔は、不思議にも長い月日を
色里
(
いろざと
)
に暮らして、幾十人の男の魂を
弄
(
もてあそ
)
んだ年増のように物凄く整って居た。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
白魚
(
しらうお
)
の黒いのがあったって、
紐
(
ひも
)
のない
芸妓
(
はおり
)
なんかいるわけはない。おまえも存外、
色里
(
いろざと
)
を知らない人だねえ」
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また浮名立ててもその間夫の事思い切らぬ故に、年季の中にまた遠国の
色里
(
いろざと
)
へ売りてやられ、あるいは廓より茶屋
風呂屋
(
ふろや
)
の猿と変じて
垢
(
あか
)
を
掻
(
か
)
いて名を流す女郎あり
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
島原の誇りは「日本
色里
(
いろざと
)
の総本家」というところにある、昔は実質において、今は
名残
(
なご
)
りにおいて。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
相方
(
あいかた
)
の遊女はお
園
(
その
)
といって、六三郎よりも三つの年かさであった。十六の歳から
色里
(
いろざと
)
の人となって今が勤め盛りのお園の眼には、
初心
(
うぶ
)
で素直で年下の六三郎が可愛く見えた。
心中浪華の春雨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
り候事とて「
口舌八景
(
くぜつはっけい
)
」の口舌ならねど
色里
(
いろざと
)
の諸わけ知らぬ
無粋
(
ぶすい
)
なこなさんとは言はれぬつもりに候へども相手が誰あろう活動の弁士と知れ候ては我慢なりがたく
御払箱
(
おはらいばこ
)
に
致申
(
いたしもうし
)
候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
大晦日草紙
(
おおみそかぞうし
)
」とかいったように覚えているが、くさ
双紙
(
ぞうし
)
に、若い
旦那
(
だんな
)
の
色里
(
いろざと
)
通いを、悪玉がおだてている絵があって、お嫁さんが泣いているのを見たとき、丸八の先代のことだとかいった。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
色里
(
いろざと
)
にても又は町家の歴々の奥がたにても、心のままにあはれるなり。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
里
常用漢字
小2
部首:⾥
7画
“色”で始まる語句
色
色彩
色々
色沢
色合
色紙
色艶
色褪
色気
色香