肩越かたご)” の例文
一学は舌打ちをして肩越かたごしに眼を向けた。三十四五の旅商人たびあきんどにしては陽焦ひやけの浅い男である。ひとみがぶつかると、急に世辞笑いをして
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あいちやんは陪審人ばいしんにんのこらず石盤せきばんに、『愚物ばかだわねえ!』ときつけてゐるのを、みんなの肩越かたごしに全然すつかりました、それのみならずあいちやんは
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
……そして、肩越かたごしに此方こなた見向みむいた、薄手うすでの、なかだかに、すつと鼻筋はなすぢとほつた横顏よこがほ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
手をまわしてそのうでくびをつかんだかと思うと、あざやかに、大の男を肩越かたごしに投げた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)