ヒジリ)” の例文
清徳トイウヒジリアリケリ、多食ノ人ナリ、四条ノ北ナル小路ニ、シ散ラシケレバ、下司ゲスナドモキタナガリ、尿イバリ小路トツケタリケルヲ——
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
京花園の妙心寺派に属する、一種の奴隷宗教家——念仏ヒジリの様な者で、禅宗の方で行者アンジヤと言ふもの——のやつて居たのがあるらしいのです。
熊野念仏は、寺奴声聞身シヨモジンから大宗派を興す動機になつた。熊野田楽のふりと、熊野巫覡の霊感とが、ヒジリ階級の念仏衆の信仰・行儀に結びついたのだ。
強ひて言へば、信太森のヒジリ神社か、その末社らしい葛の葉社の由来から生れて、狐が畜生を解脱して、神に転生する事を説いた本地物だつたのではなからうか。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
コヨミの事を言はれて、刀自はぎよつとした。ほんに、今日こそ、氷室ヒムロ朔日ツイタチぢや。さう思ふ下から齒の根のあはぬやうな惡感を覺えた。大昔から、暦はヒジリの與る道と考へて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
コヨミの事を言はれて、刀自はぎよつとした。ほんに、今日こそ、氷室ヒムロ朔日ツイタチぢや。さう思ふ下から齒の根のあはぬやうな惡感を覺えた。大昔から、暦はヒジリの與る道と考へて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
コヨミの事を言はれて、刀自はぎよつとした。ほんに、今日こそ、氷室ヒムロ朔日ツイタチぢや。さう思ふ下から歯の根のあはぬやうな悪感を覚えた。大昔から、暦はヒジリの与る道と考へて来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
前に言うた高野の「萱堂カヤダウヒジリ」が語り出したと想像せられる石童丸の語り物が、説経にとり入れられる様になつた。而も石童の父を苅萱と言ふのは、謡曲で見ると「苅萱の聖」とある。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)