老若らうにやく)” の例文
地震ぢしんめつたになし。しかし、のぐら/\とときは、家々いへ/\老若らうにやく男女なんによこゑてて、なほし、なほし、なほしととなふ。なんとも陰氣いんきにて薄氣味うすきみわるし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
斯く二句を作り侍りしが、鴬は筍藪たけのこやぶといひて老若らうにやくの余情もいみじくこもり侍らん。蚕は熟語をしらぬ人は心のはこびをえこそ聞くまじけれ。是はむしろの一字を入れて家に飼ひたるさまあらんとなり。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一斉いつせい礼拝をろがみをは老若らうにやくの消え入るさけび。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのつて暫時ざんじきたらざるあひだうかゞうて、老若らうにやくあらそうて散策さんさく野遊やいうこゝろむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老若らうにやくちからなき顔
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)