絵看板えかんばん)” の例文
旧字:繪看板
なかの人いきれがよほどたまらなかったとみえて、出ると、未練に絵看板えかんばんをながめてもいず、スタスタと歩いてゆく。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やはり人々ひとびとにもまれながらてら境内けいだいはいると、片側かたがわたか軽業かるわざ小舎こやがあって、昨年さくねんたときのような絵看板えかんばんかっていました。かれは、木戸銭きどせんはらってのぞきました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金と銀とのまくが下がり、絵看板えかんばんがならび、赤と黄と青とのはたがそれをかこみ、きらきら光る電灯でんとうが何十となくりかがやき、その中に楽隊がくたいがわきたつようなひびきをまき起こしているのです。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
曲り角に出してある宮戸座みやとざ絵看板えかんばんを仰いだ。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)