)” の例文
……二両で帯を買うて、三両でけて、二両で帯を買うて、それから、三両で絎けて、そうしてどうするの、三両で絎けて……
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
老婆はその花束を裏の縁側へ置いて、やっとこしょと上へ昇り、他処よそ往きの布子ぬのこに着更え、幅を狭くけた黒繻子の帯を結びながら出て来たところで、人の跫音がした。
地獄の使 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
おつぎはまたかみへつける胡麻ごまあぶら元結もとゆひしばつたちひさなびんれて大事だいじしまつてくのである。みじか期間きかんではあるがはりつやうになつてからはあかたすきけた。半纏はんてん洗濯せんたくした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
手織縞ておりじま著物きものはよいとして、小さな藁草履わらぞうりは出入の人が作ってくれたので、しっかり編んで丈夫だからと、お国から持って来たのでした。鼻緒はお祖母様が赤いきれけて下さるのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
三方をけ、もう大分開けた河原の中を流れる、「豆こぼし」といふ灘は、水が急なので、二挺の櫂を一つに合せ、船頭二人の力をこめて取り縋るやうにして、漕いだが、それでも東岸には
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
(五両で帯を買うて三両でけて、)
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)