)” の例文
そうしてその七年目の夏、彼は出雲いずもの川をさかのぼって行く、一艘いっそう独木舟まるきぶねの帆の下に、あしの深い両岸を眺めている、退屈な彼自身を見出したのであった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
是即ち評價のみなもとなり、是が善惡二の愛をあつめ且つるの如何によりて汝等の價値かち定まるにいたる 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
維新史研究家だつた勝山孫弥といふ人の出してゐた「海国少年」といふ雑誌の短歌欄に投稿したもので「出雲なるの川上はそのむかし八頭やまた大蛇おろち住みけるところ」
老境なるかな (新字旧仮名) / 吉井勇(著)
古く既に素戔嗚尊スサノヲノミコトは、出雲の之川上から流れて来たのをて、山奥に人ありとの事を知られ、分け登って高志こし八岐大蛇やまたのおろちを退治して、奇稲田姫くしなだひめの危難を救われたとある。
賤民概説 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
山のやうに積んである穀物をるのだから、屑は澤山出る。それをあの婆あさんが一撮程づゝ手に取つて、かすんだ目で五味をり出したところで、それが何のたしになるのでもない。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
あんた方は連枷からさをで麦を打ち、るのが仕事だったのに、今のものは機械で打ち、唐箕とうみを使っている。あんた方はお祭の日にしか休みを取らなかったのに、今のものは、それをぶつくさ言う
出雲いずもの川上というところにいたりたもう。そこにひとりのおきなうばとあり。ひとりの少女おとめをすえてかきなでつつ泣きけり。素戔烏尊すさのおのみことたぞと問いたもう。われはこの国神くにつかみなり。脚摩乳あしなずち手摩乳てなずちという。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ことごとくこれを捕えてお殺しになったとか、同じ天皇の熊襲くまそ御征伐の時にも、熊襲の娘を誘うて親を殺さしめ給うたとか、日本武尊やまとたけるのみこと出雲建いずもたけるを誅せられる時に、まず和睦して共にの川に水浴し